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利潤を追求する企業は、商品化して売り上げに結びつく確信がなければ研究開発はやらない。 ハイテク・レースともいわれるFから撤退したあのホンダのような超一流企業にしてそうである。
また、日本人の特性もあるかもしれない。 与えられた条件のもとで与えられた課題をこなすことに関しては実に優れた能力を発揮するが、そのかわり、ゼロからの発想があまり得意ではない。
これは日本の教育制度によるところも大きいだろう。 こうしたことからすると、日本の技術立国は片脚で立っているだけといえる。
技術開発体制という点だけでも日本は米国に比べて大幅に遅れている。 しかし最近は、高速増殖炉や光ファイバー・ネットワーク、それにエイズワクチンなど、さまざまな分野で日本の豊富な資金力をパックにした基礎研究の発展に期待が寄せられている。
技術立国として生き残ろうとすれば、基礎研究に力を入れていくしかない。 まさに。

衣食足りて基礎研究を知る。 といったところである。
世界の大企業を売上願で並べてみると、GM、エクソン、フォード、IBMといった米国の企業が、指定席のように上位を占める。 有名な「フォーチューン」誌のランキングによると、一九九二年度のトップ叩の半分までが米国企業であり、日本企業はT自動車とH製作所のニ社が入っているにすぎない。
また、上位五百社でみても、米国企業が百六十一社でトップ、これに日本企業の百二十八社、英国企業の四十社がつづく。 このように、世界の大企業となると、米国勢に一日の長がある。
そしてこれにつづくのは、やはり日本企業である。 日米の企業だけで上位五百社の約半分までを占める。
しかし、世界の大企業は、ほとんどが多国籍企業でもある。 とりわけランキングの上位につげるような企業には、その傾向が強い。
したがって、企業の売り上げや収益のランキングと、その母国経済のパフォーマンスは、かならずしも符合しない。 英国やオランダの企業が上位に入ってくるのは、その国民経済とはあまり関連性がなく、植民地時代の歴史のなごりというべきものである。

九0年代に入って、こうした世界の大企業は、軒並み収益を悪化させている。 先進国をほぼ例外なく襲う深刻な同時不況のせいである。
九二年度は世界最大の企業であり、世界最大産業と技術これからどう変わるのか。 の自動車メーカーであるGM、それに世界最大のコンピュータ会社のIBMがそろって赤字を計上しており、トップの半分の五社までが赤字企業となった。
ところが九三年は、ちょっとした異変が起こっている。 いわゆる米国自動車産業のビッグ3がそろって黒字に転換したのである。
これはもちろんドル安による国際競争力の回復もあるが、合理化をはじめとする経営努力が実った結果でもある。 一方の日本の自動車メーカーはここへきて、これまで破竹の勢いでシェアを拡大してきたことのツケが回ってきたかのように、伸び悩みを強いられている。
世界の・自動車市場全体からすると、日本車の頭打ち傾向はけつして循環的なものではなく、より構造的なものというのがおおかたの見方である。 他方、八0年代の後半あたりからは、国民経済の著しい成長をバックにしたアジアNIES系の多国籍企業の躍進が目立ち始めている。
韓国の三星、現代といった財閥系グループ、香港籍の総合商社などが着実にその規模を拡大している。 これからの世界の大企業、とくに先進国を母体とする多国籍企業を取り巻く状況はけっして明るくはない。
自動車産業に代表されるように、世界市場が大きく再編される可能性がある。 NIES諸国の追い上げにも激しいものがある。
そこへ地球環境問題という新たな成長制約も大きく立ちはだかっている。 その意味でもリエンジニアリングなどという発想が不可欠な時代ということができる。

戦後の日本経済の目覚ましい発展の主役は、まちがいなく企業であった。 日本企業は、企業規模ないしは売上額でみても収益でみても、世界でもトップクラスとなった。
いわゆる裸一貫から事業を奥して、世界でも屈指の多国籍企業にまでのし上がったような企業もいくつかある。 そうでなくても、日本企業の売上額は常に右肩上がりで伸ぴてきたし、また、それが当然という見方もされてきた。
もちろんその陰には、会社組織をあけての並々ならぬ企業努力があったことはいうまでもない。 日本企業が他に類をみない成長を遂げ、世界中を日本製品が席捲するようになったのは、それほど古いことではない。
せいぜい一九八0年代に入ってからのことである。 それまで世界市場を支配していた米国企業は、このあたりから転落し始める。
とりわけ五0年代、六0年代に栄華を極めた自動車のビッグ3の凋落ぷりは目を覆いたくなるほどのものである。 そして、市場を奪われた者と奪った者とのあいだで貿易摩擦が激化した。
ところが、圏内経済がバブルの崩壊に始まる長い不況のトンネルから抜げ出せないでいることに加えて、急激な円高と先進各国を襲う同時不況のために、日本企業のパフォーマンス産業と技術これからどう変わるのか。 日本の企業全体でみると、企業収益は三年連続で前年度を下回り、この分だと四年連続の減益もほぼまちがいない。
これはまさに、かつてなかった事態であり、経営状態の悪化に悩む企業が、いかに多いかは想像に難くない。 世界に名だたる壇優良企業のT自動車でさえ例外ではない。
しかも今回の不況には、なかなか一筋縄ではいかない根の深いものがある。 消費不況で売上高の減少がつづいたところで人件費、減価償却費、金融コストといった固定費の負担が膨れ上がったことが収益を一段と圧迫するかたちになっている。

これはバブル期において、将来の売り上げ拡大の期待と人手不足への懸念とから、企業は競うように生産能力増強のための設備投資と雇用増大に走ったことのツケでもある。 しかし、こうした企業をめぐる環境は、何も日本にかぎったことではない。
世界の多国籍企業がそろって苦しい経営状態に陥っているのである。 世界企業の売り上げランキングでみるかぎり、日本企業の地位はあまり変わってはいない。
企業のレベルは売上高や収益の大小だけでなく市場シェアでみることもできる。 中小企業であっても特殊な製品で世界シェアが五O%を超えているとすれば、それは世界最大企業である。
そういう企業が増加しているのはハイテク化に成功している証拠であるから心強いといえる。 今世紀最大の発明の一つであるコンピュータは、わずかなあいだに驚異的な進化を遂けてここまできた。
コンピュータ産業は、いまや世界のリ−ディング産業ともいうべき存在になっている。 コンピュータ産業は、コンピュータ本体はもちろん、その周辺機器やソフトウェアからニューメディアやニューシステムにいたるまで、さらにはコンピュータを利用した機器類全般までを含めると、産業としてカバーする領域は実に膨大なものになる。
そして、これらの発展と符合するように、利用できる情報の、少なくとも量は大幅に増えた。 こうした発展の背景には、IC(集積回路)関連を中心とした日進月歩の技術革新がある。
とりわけ、MPU(超小型演算処理装置)の急速な進歩はまさに革命的といえる。 その結果、メモリーの大容量化、処理の高速化、ダウンサイジング(小型軽量化)、そして低価格化が加速されている。

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